是蘭は、ソニーにて製品品質、コーポレート戦略、ベンチャー投資部門等で管理職や投資先役員を含む種々の経験を積んでいました。
論理的で知的な思考が求められる環境の中、次第に感覚や、身体とその技能を使った表現への関心が高まっていきましたが、銅版画・コラージュの第一人者 北川健次氏との出会いをきっかけにその勧めによって、美術家への道を歩み始めました。

過剰に企図された感覚刺激や情報が氾濫する現代において、是蘭は「作為を超越する」ことに強い関心を持っています。
そのため、描画材の物質的な特性を活かした独自のモノタイプ（一点刷り版画技法）、流動性を高めたアクリル絵具によるフルイドテクニック、そして形やモチーフの現れに偶然が関与する、コラージュや近年ではAI技術を用いて制作しています。 

これは、シュルレアリスムのように主に個人の無意識を引き出すことではなく、自然な現象とその生成の原理を探り、東洋思想や禅の精神に通じる「空性」を可視化するためです。 
形あるものと無形のもの、存在と無の狭間にある中間的な空間や、存在しながらも存在しないというパラドックスを、観る方々と視覚や体感を通して感覚的に共有したいと考えています。

個展の他、くどやま芸術祭（和歌山）、岩国ビエンナーレ（山口）、京都芸術センター 藝文京展等、多くのアートフェアや展示に参加。 
国際版画公募FEIプリントアワード美術の窓賞を始め、コンペティションで多数の受賞があります。
コミッションワークとしては、英国プログレッシブロックの伝説的ミュージシャン、Peter Hammillの来日公演ツアー記念作品他を提供しています。